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I'll be here−社労士 李怜香(いー・よんひゃん)の多事多端な日常


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2008-11-14 [長年日記]

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_ [地域][行政]声かけ事案

地域安全情報の配信(下野警察署) | 栃木県の安全・安心メールマガジン (2008/11/12 12:12:45)

道を歩いていた大人の男性が、小学生に「おはよう」と声をかけたら通報された、ということが話題になっているようである。

「声かけ事案」という言葉自体、なじみがない人もいるようだ。だが、ほかの地域は知らないが、栃木で小学生を持つ親なら、おなじみの言葉だと思う。これは、栃木県警察が出しているメルマガだが、メルマガを受信しなくても、学校の所在地を管轄する警察の出している情報を、小学校がプリントに起こして、生徒に配布しているのである。

宇都宮ならば、市役所のサイトに、市内の情報をまとめたページもある。

なお、声かけ事案等については、善良な市民が道を聞くつもりで声をかけたが声をかけられた子どもが恐怖を感じて届け出されたものや、悪意の無いものなど、被害者の主観的な受け止めによる場合も含んでおります。

不審者情報 | 宇都宮市

という、宇都宮市の但し書きで、話は終わりになってしまうのであるが、こういう「通報」を行き過ぎだとか、栃木の閉鎖性みたいな話にされてしまうと、ちょっと違うんではないかという気がする。

わたしが住んでいる地域の小学校でも、子供に「近所で大人に出会ったら、知らない人にもあいさつしましょう」と教えている。最初は、見知らぬ子供から元気にあいさつされて面食らったものだが、当時小学生だった上の息子から話を聞いて、やっと得心がいった。物騒な世の中だから、宇都宮市内全部でこのように教えているかどうかよくわからないが。新宿に住んでいたころ、「悪い人が子供の名前を呼びかけて、誘い出すといけないから、登下校中は名札をはずしましょう」という指導で、これはこれで、あまりに殺伐しているのに驚いたことが思い出される。同じ日本かよ、という感じ。

それにしても、あいさつする子供たちは、学校でそう習っているからいやいやしてます、という雰囲気はぜんぜんなくて、ちょっと恥ずかしそうにしながらも、相手から笑顔であいさつが返ってくることをまったく疑わない調子で「こんにちは!」なのである。実にかわいい。

社労士 李怜香の多事多端な日常 - 小学生があいさつ

上の引用は、2004年にわたしが書いた記事だ。だが、今では、下の子が通っている小学校でも、新宿の小学校と同じように、名札は校内にいるときだけつけて、登下校でははずしている。

「不審者情報」自体は、もっと前から出されていたと思うが、こういう内容が地域に受け入れられていて、この程度のことでも通報されてしまう、というのは、やはり2005年12月に今市市(現 日光市)で起こった、小学生の女の子の殺人事件を抜きにしては語れない。犯人はまだ捕まっていないのだ。わたしももちろんそうだが、このあたりの親で、この事件を忘れている人などいないと思う。

事件直後には、栃木県内ほとんどの小学校で、集団下校を行っていて、下の子の行っている小学校では、地理的に現場に近いということもあり、この事件以来、いまだに毎日毎日集団下校をやっている。しかも、保護者や地域のボランティアのお年寄りなど、必ずおとなが最後までつきそって、子供がひとり歩きをしないようにしているのだ。朝の登校時は、集合場所まで、それぞれ親が送っていっている。

このへんの子供たちには、寄り道をする自由もないし、放課後学校で友達とおしゃべりしたり、校庭で遊ぶ自由もない。おとなが子供に声をかけただけで通報されるなんて、それはひどい話に違いないのだが、親や学校の不安は、事なかれ主義だと言ってすませられるものではない。

子供を一人歩きさせるな、という状況には、おとなたちも疲れを感じているのは確かだが、いつまでこんなことを続けるのか、いったいどうしたらまた子供たちのかわいいあいさつが聞けるようになるのか、当の親や学校だってわからずに困惑しているのだ。


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