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I'll be here−社労士 李怜香(いー・よんひゃん)の多事多端な日常


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2008-04-20 [長年日記]

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[この日を編集]

_ [年金]年金ならなんでもけなしておけ

なんだかこっちが見られてるみたいなスイセン

国民年金がずっとアブナイ、と騒がれ続け、納付率が下がるばかりという背景には、支給開始年齢引き上げで制度への信頼が崩れたことや、社会保険庁の PR 下手もあると思うが、マスコミが「年金」といえば「崩壊」と、合い言葉になってるんじゃないかと思うほど否定的に語り続けているのも、大きな要因になっている。

こんどは「国民年金料」パート天引きか!?

上の記事は、「livedoor ニュース」の枠の中にあるが、パブリック・ジャーナリストという個人に文責があり、厳密にはマスコミ記事とは言えないかもしれない。デスクのチェックを通っていると言うことだが、新聞や TV など、いわゆる大手マスコミで、ここまで意味がわからない記事って見たことがないから、レベル的には同日に語ってはいけないのかも。

前置きはいいかげんにしておこう。

それでなくても、国民健康保険制度には矛盾点が多くある。まず、被保険者の収入額にかかわらず、金額が一定であること。平成20年度は「月1万4410 円」だが、これはいくら収入が少なくても「免除申請」をしない限り、金持ちであろうが貧乏であろうが、一定金額の保険料である。厚生年金保険料は、半分企業が負担することと、収入によって保険料の金額が変わってくるので、妥当と考えられる(後略)

1行目の「国民健康保険制度」は「国民年金制度」の間違いだが、書いた本人の頭の中がごちゃごちゃになっているにしろ、単なるミスにしろ、校閲などのチェック機能が働いていないのは確かなようだ。

問題は、その後、国民年金の保険料が収入に関わらず一定なのが「矛盾」なのだそうである。

国民年金は保険料が一定で、戻ってくる年金給付も一定。厚生年金は保険料が収入に応じて段階的になっていて、もらえる年金も、自分の支払った保険料に見合った額である。

これは、制度の設計が違う、というだけで、別に矛盾でもなんでもないと思うが。

国民健康保険などの公的医療保険制度であれば、保険料は収入や資産によって応分に負担するが、保険給付のほうは、掛けた保険料に関わりなく一定だから、この人にとっては「矛盾」がないということになるだろう。

それを望むのであれば、国民年金も厚生年金も、並べて批判しなければ筋が通らない。

もっとも現実には、厚生年金には在職老齢年金制度というものがあるので、高齢になっても収入のある人は、年金給付を削られているのだから、収入の少ない人にとってはやさしい制度なのかもしれないが、その点はご存じなのかどうか。

また、厚生年金は半分企業が負担するから「妥当」ということだけど、国民年金も、1/3 が税金から出ている。これは、次の部分にもからんでくる。

また、首尾よく60歳まで40年間、保険料を納めたとしても(満額)、月約6万6000円しか年金をもらえない。

40年間、14,410円の保険料を納め続けると、納付額は全部で 6,916,800円となる。そして、もらえる年金のほうは、66,000円を65歳から80歳の15年間受給したとすると、11,880,000円である。

もちろん、これはものすごく雑ぱくな計算で、実際には保険料の額も保険給付の額も変化するので、簡単には計算できないが、そういう変化の部分を差し引いても、「月約6万6000円しか年金をもらえない」とまとめるのは、あまりにヘンだということがわかるだろう。

先に述べたように、自分で支払った保険料を超える部分の年金は、税金から出ているから、こういう金額になるのである。

厚生年金に加入しているということは、国民年金の被保険者でもあるので、こういうふたつのものを別個に論じるような議論は、ちょっと違和感があるのだが、とりえあず話の都合ということで、ご了解願いたい。

2006年に社会保険庁では「不正免除」が発覚し、いかにも「納付率」が上がったように工作した経緯があるが、今度はそれを合法化しようとしているのだ。社保庁は「申請主義」の方針転換とうそぶいているが、それを言うなら、「年金受給者に年金受給開始を即、報告せよ」と言いたい。

「申請主義」の転換、と言ったのは、朝日新聞で、社会保険庁はそんなことはいっていないと思うが。

本人からの申請なしで免除、となったら、いちばん得をするのは免除される本人だろう。納付率云々以前に、そこはどうでもいいのかしら。

「年金受給者に年金受給開始を即、報告せよ」というのは、売り言葉に買い言葉的に出てきたのか、ほんとうにこれがいいと思っているのかよくわからないが、社保庁のデータがすべて正しくないと、こういうことはできないし、実際年金の申請をすると、漏れはたくさん見つかる。そのまま年金額が確定されてしまっては、損をするのは本人である。年金受給の際の本人申請は、当分必須だと思うのだけど、単なる「手間」としかとらえてないのだろうか。

要するに、柄のないところに柄をすげてでも、国民年金(社会保険庁)をたたいておけばよろしい、という意識だけが見て取れる。たいして調べもせず、流行に乗っているだけ、というか。

個人的には、livedoor や Oh! My News などの「市民記者」という試みは、うまくいくといいなぁ、と思っているので、こういう無責任な記事を読むとがっかりする。

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本日のツッコミ (2件) [ ツッコミを入れる ]
_ NOB (2008-04-20 22:26)

アホ「市民記者」の代表はJ-Castだと思うのだけど、あの連中の「記者ごっこ」は酷いねぇ。と言いつつ見に行っちゃうけどさ(笑)
あと最近のレコードチャイナも扇情的な見出しが多くて辟易してます。日本語で読める数少ない現地レポートなので、勿体ないなーと。

_ 李怜香 (2008-04-21 07:13)

確かに見出しは「うまいなー」と思うことも多いけど、それって、典型的なイエロージャーナリズムの手口よね。
これがブログなら、だれにも相手にされないか、ツッコミどころたっぷりでヲチ対象にされて終わりでしょう。
スタートはなんか志があったはずなのに、ほんともったいないねぇ。


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